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特定健診・保健指導の実施率向上へ運用方法を見直し

特定健診・保健指導の実施率向上へ運用方法を見直し

【厚労省・健診検討会】
健診項目は基本的に維持、一部の項目を見直す

 2018年度からの第3期特定健診等実施期間における特定健診・保健指導の運用の見直しを検討してきた厚生労働省の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(座長=多田羅浩三・日本公衆衛生協会会長)は1月19日、議論のとりまとめを行った。特定保健指導の実施率を向上させるため、特定健診時の初回面接を可能にするなどの運用方法の見直しを盛り込んでいる。今後、具体的な運用方法やシステム改修の仕様について、検討会の下の実務者ワーキングで協議を進める方針だ。
 血清クレアチニンを詳細な健診項目に
 同検討会は、保険者全体の特定健診・保健指導の実施率向上を図る観点から、第3期特定健診等実施計画期間(2018~ 2023年度)における制度の運用について検討を進めてきた。
 特定健診については、腹囲基準や健診項目は基本的に維持した上で、科学的知見や実現可能性、費用対効果などを踏まえ、一部の項目を見直すこととした。
 血中脂質検査は、引き続き中性脂肪、HDLコレステロールおよびLDLコレステロールとするが、定期健診等において中性脂肪が400mg / dl 以上や食後採血のため、LDLコレステロールの代わりにnon −HDLコレステロールを用いて評価した場合も血中脂質検査を実施したとみなす。
 血糖検査は、原則として空腹時血糖またはヘモグロビンA1cを測定し、空腹時以外はヘモグロビンA1cのみの測定としている。しかし、やむを得ず空腹時以外でヘモグロビンA1cを測定しない場合、食直後を除き随時血糖による血糖検査をできることとした。
 詳細な健診項目としては、血清クレアチニン検査や心電図検査、眼底検査について医師が必要と認める場合に対象とする。特に、糖尿病性腎症に対する重症化予防の取組みを保険者が推進していることから、腎機能の評価である血清クレアチニン検査を健診項目に追加した。
 標準的な質問票については、歯科口腔保健の取組みにつながる「食事をかんで食べる時の状態」の項目を新たに追加した。
 ポイント見直し含む検証モデル実施
 特定保健指導については質を確保しつつ、全体の実施率の向上につながるような実施方法の見直しを行う。
 特定健診当日に初回面接を行うことは、実施率の向上につながることが期待されるため、検査結果がそろわない場合でも把握できる状況をもとに初回面接を行い、後日、専門職が電話等で本人に相談しつつ、行動計画を完成させることができることとした。
 動機付け支援や積極的支援の行動計画の実績評価は、現行6カ月経過後に評価を行うこととしているが、3カ月経過後に短縮して行うこができるようにする。
 2年連続して積極的支援に該当した者で、2年目に改善した者について、2年目の特定保健指導は動機付け支援相当の支援でも認めることとした。
 また、積極的支援の180ポイントの見直しを含めて新たな指標を検証するため、保険者による柔軟な運用によるモデル実施を行うこととし、その結果、柔軟な運用が合理的である場合には第3期計画の期間中であっても指標を見直す方針を示している。
 さらに、保険者が情報通信を活用した遠隔面接による初回面接を導入しやすくするよう、国への実施計画の事前届出を2017年度から廃止し、2018年度からは他の保健指導の項目と同様に、実施状況報告(XMLファイル)のなかに遠隔面接を位置付けることとする。
 そのほか、治療中の者の同意のもとで、保険者が診療における検査データの提供を受けて特定健診結果のデータとして活用できるようにルールを整備するほか、被用者保険から市町村国保への委託を推進するために保険者間の再委託要件を緩和する。また、一定の要件を満たして保健指導を実施している看護師については引続き従事できるように2023年度末まで暫定期間を延長することなどを盛り込んでいる。

 

全日病ニュース2017年2月15日号 HTML版

 

 

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  • [1] メタボリックシンドロームの判定基準を維持|第879回/2016年9月15日 ...

    http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160915/news06.html

    2016年9月15日 ... 報告書は、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(多田羅浩三座長)が
    まとめたもので、内臓脂肪の蓄積 ... ただし、健診受診率の向上を図るため、「随時血糖
    」を健診項目に加えるべきとする意見があったことから、「HbA1c」をやむを得ず測定
    しない場合は食直後を除き「随時血糖」による検査を「可」とした。 また、糖尿病予防に
    有効な血清クレアチニン検査について、「詳細な健診項目」に追加すべきとした。

  • [2] 健診項目の廃止や対象者限定に反対の声|第872回/2016年6月1日 ...

    http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160601/news14.html

    2016年6月1日 ... 厚労省の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(多田羅浩三座長)は5月16
    日、特定健診・特定保健指導の健診項目の見直しを ... 現状の基本健診項目は、◇身体
    計測(BMI、腹囲)◇血圧◇脂質(中性脂肪、HDL・LDLコレステロール)◇血糖(空腹時
    血糖またはHbA1c)◇肝 ... を特定保健指導に活用◇肝機能検査のAST(GOT)は廃止
    血清クレアチニン検査を詳細な健診に位置づけ─ などがある。

  • [3] 障害年金の診断書の様式変更及び障害年金制度の周知依頼について

    http://www.ajha.or.jp/topics/jimukyoku/pdf/160425_1.pdf

    2016年4月25日 ... 年金保険障害認定基準により行っているところですが、このたび、代謝疾患(糖. 尿病)
    による障害の .... イ 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座
    業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など. ウ 歩行や身のまわりの ... 血清
    クレアチニン mg/dℓ. eGFR mℓ/分/1.73㎡ ..... (8) ⑭の欄の「2 検査成績」の「HbA1c
    及び「空腹時又は食後血糖値」は、過去6か月間における2回. 以上の検査成績を ...

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